ゆるアーツジャーナル

アメリカ生活5年目。ジャズ/アーツマネジメント/日常のことを綴っています。

アーティストなのかクリエイティブ企業家なのか

 

アーティストと言われる人々の生き方は、時代の流れと共に変わってきている。

 

www.theatlantic.com

アーティストの起源

この記事で筆者のWilliam Deresiewiczは、発展し続けるクリエイティブ産業と、その中で生きる「アーティスト」という言葉の意味が、21世紀においてどのように捉えられているのかという現状について書いている。

アーティストという言葉が生まれた当時、その言葉は物を作って売る“職人”に向けて使われていた。
やがて社会が豊かになり、職人の技術も上がると生活に必要なものだけではなく、個人に向けた装飾品などが作られるようになる。その当時は職人たちを支援する金持ちが居たが、時代も代わり稼げない職人が増えて「ひもじいアーティスト」と呼ばれる職人たちが出てきた。

このようなアーティスト達は、友人や家族に支えられながら生き延びることが可能だったが、次第にお金を持っているコレクターが「アート」を買うようになり、学校で芸術を学んだアカデミックアーティストも生まれるようになる。

 

新時代のアーティストの在り方とは

William Deresiewiczは、21世紀以降のアーティストは「クリエイティブな起業家」と呼ばれる必要があるのではないかと提唱している。

アートの民主化が進み、今の時代にアートを売るということは社会に求められるものを生み出し、受け入れてもらえなければならないと人は考える。

アーティストは、自身の作品に磨きをかけることを忘れ、より多くのフォロワーを確保することや"いいね!"やお金を追いかけることに夢中だ。

 

 

アーツマネジメントを学んでいて

アーツマネジメントを学んでいると、芸術の様々な在り方を知る機会があります。様々な在り方とは、"High brow art"と呼ばれる美術館に展示されるような作品や"Low brow art"のようなストリートカルチャーやアンダーグラウンド・コミックスなどの作品はもちろん、オリンピックで披露される開会式のコンサートや、地域活性化のための芸術祭なども立派な芸術です。

 

「芸術×他分野」の可能性がどんどん広がるこの社会で、アーティスト自身が経営者としてのマインドを持つことは必要だと感じます。

矢沢栄吉さんが自伝「アー・ユー・ハッピー?」の中で、作品とその運用について次のように述べていたそうです。

 

「ビル・ゲイツはコンピューターのプログラムを書く天才だ。彼だって一歩間違えれば、ただの技術屋で終わっていたかもしれない。お金を持っている資本家に使われて、さんざん利用されて、使い捨てられたかもしれない。」

 

「経営的な才能が音楽的な才能をスポイルすることはなく、自分はあくまで「自分の才能」を守るために、ビジネス的感覚を持っているとして、冷たい目でビジネスをやる企業家や投資家とはテイストが違う」

https://lrandcom.com/the_beatles_strategy

 

 ビルゲイツがエンジニアとしてプログラムを生み出した後、企業家になってそれを自分の作品として守り通していたように、現代のアーティストも自分の作品をどう世の中に送り出すのか、様々な可能性を探っていくことが必要なのではないでしょうか。