ゆるアーツジャーナル

ジャズ/アーツマネジメント/日々感じることを綴っています。

Medieval Times

先週末は、前から気になっていたMedieval Timesというディナーショーに連れて行ってもらいました。

どんなショーなのかというと、中世の様子を表現していて馬に乗った騎士が王様の前で対決をするというパフォーマンスです。馬はしっかり訓練されていて、列を作ったり戦いの演技をしたり、とても頭の良い馬たちでした。

観客はそれぞれ赤・青・緑・黄色のブースにわかれて座り、自分の色の騎士を応援します。私は赤の騎士だったのですが、この日は見事に私の騎士の勝利でした。

 

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料理は、前菜からメインのチキンまでしっかりしたものが出てきました。

なんと、中世のお城での食事は手づかみだったそうです。なのでこの日は、ポテトもコーンもチキンもすべて手を使って食べました。

 

ショーも食事も豪華で、中世の雰囲気を味わいながら贅沢な時間を過ごすことができました。

大学院生活の住まい

去年の夏にアパートを探して住むことに決めたのは、二階建て+地下の一軒家です。DCからバージニア州をつなぐ地下鉄が通っているのですが、なるべく徒歩で学校に通える位置を選びました。私を含め、20代女子が4人住んでいます。

一人一つの個室と自由に使える部屋に加えて、お風呂が2つ・トイレが3つという間取り。

夜でなければ、家の中でサックスを吹いて良いことにしてもらっているので、学校へ行く前に練習ができて助かっています♪

 

 

いわゆるシェアハウスに住んでいるのですが、皆働く時間が別々なのもあり4人が揃うということはあまりありません。たまに時間が合えば一緒にご飯を作って食べたり、お茶する程度のゆるいお付き合いです。

 

家の不具合が出ると大家さんが全て手配してくれるので楽だし、タイルを張るなど

装飾をしたり結構自由に使わせてもらっています。

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アメリカのクリスマス

もう1月ですが、記事を書いていなかった12月について一つだけ書いておこうと思います。(アメリカではまだクリスマス飾りが飾ってある場所もあります)

 

大学時代4年間アメリカで勉強していた私ですが、クリスマスは毎年日本に帰ってきており、アメリカのクリスマスを体験したことがありませんでした。5年目にしてようやくです。

 

クリスマスイブには、大学時代から仲良くしてもらっているグループのパーティーに呼んでもらいました。

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みんなで持ち寄りパーティーをした後に、クリスマスツリーの横でプレゼント交換をしました。ランダムにプレゼントをもらうのですが、欲しいものがあったら人から奪って良い、という厳しいルール付きでした。

 

クリスマス当日は、とにかく朝から動き回っていました。朝は教会で聖歌隊として歌って、昼はモールでジャズバンドの演奏。夜は教会に戻って室内楽の演奏をしました。ミュージシャンのクリスマスは大忙しのようです。

この演奏の合間に生のクリスマスツリーを買いに行って車で運んだり、ようやく一息つけたときには夜の23時を回っていました。

写真はモールの上から撮ってもらったもので、あまりピントが合っていませんが、、

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アメリカのクリスマスは、家族と温かな気持ちで過ごしたいですね。

 

 

一学期を終えて

冬休みの間は日本へ一時帰国し、数日前にアメリカへ戻ってきました。

大学院生活の二学期が始まるまで数日あるので、一学期を振り返ってみようと思います。

この写真は、新入生オリエンテーションのあとの懇親会にて撮られた写真。

見てわかる通り、アメリカ人半分・中国人半分・そして日本人は私一人。

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一学期目に取った授業が

1Leadership and Governance

2Seminar in Arts Management

3PR/Maketing Strategies for Arts 

4Graduate Pro Seminar

 

授業のことは、違う記事にしたいと思っているので細かくは書きませんが、2と4は新入生必須。1と3は、自分で選択した授業でした。

 

英語の授業を受けるのは2年ぶり。授業には決意を固めて、かなり積極的に参加しました。大学の授業とは違い、各個人がそれぞれの専門分野を持ったうえでアーツマネジメントという学問を学ぶため、皆が自分の経験を踏まえて意見を交換するディベートが多く、いろんな分野の情報を知ることができました。

また、大学ではあくまで先生と生徒という立場で授業を受けていましたが、大学院では生徒のことをプロフェッショナルの立場で受け入れてくれ、どちらかというとビジネスパートナーのような関係でした。教授はその道の先輩であり、同じフィールドの仲間でもあるな、と常に感じました。

 

アーツマネジメントの大学院は、知識だけを詰め込むのではなく、あらゆるアートの在り方を見ながら新しい可能性を見つけていけるような場所です。

家族や周りの人に支えられながら、大学院へ進学することができて本当によかったなと思います。

 

 

アーツマネジメント学科の学生

『今年の秋に入学した同級生』

私はアメリカの大学院でアーツマネジメント科に在籍しているわけですが、この秋に入学したのはアメリカ人が13人、中国人が10人、日本人が私一人という感じです。韓国に姉妹校があるため、韓国人が多いのかなとは思っていましたが、中国人留学生の多さにはびっくりしました。私は今のところアメリカ人としての扱いも受けないし、中国人の輪にも入っていない中途半端な立場に居るような感じです。ですが、授業では日本人としての意見をシェアできるのがとても楽しいです。

学生の平均年齢はだいたい30歳くらいかな、と思います。ほとんどの学生が大学卒業後に数年それぞれの専門分野で働き、大学院に戻って来たという感じです。中には、アーツマネジャーとして何年も働いているけど独立して自分の団体を作るために勉強している人などもいます。

『アーツマネジャーを志す人のバックグラウンド』

それぞれのバックグラウンドはさまざまですが、大きく分けると2つに分けられます。

①アーティストとして活動をしている/音楽や美術の学校の先生をやっているけど、アーツマネジメントの世界でも働いてみたい、そして自分自信のマネジメントにも役立てたい人
②アートではない分野(ジャーナリズム・医療系など)で働いているが、自分の技術や知識をアートの分野で活かしたい人

中国人の友達は、中国の伝統楽器や伝統アートを専門として活動してきたけど、国内での伝統への興味が薄れつつあるため、どうしたら後世に残していけるのか勉強しにきた、という子がいます。アーツマネジメントの仕事も一つではなく、友達のように伝統文化を残す活動・マイノリティーのコミュニティーを活性化/より良いものにするための活動など、可能性が沢山あるのだと気付かされました。

『自分は何ができるのか?』

自分自身の分野は音楽、とくに【ジャズ】ですが、日本の高校での部活動を通して知ることのできた日本のジャズ教育の現状、本場アメリカのジャズ教育を大学4年間で受けた経験を活かして伝えられる事、アーツマネジメント学科の生徒として学べるアメリカのマネジメント側の仕事の現状を知って、日本に居るだけでは分からないことを吸収できているのが私の大きな強みだと思います。これらの知識と経験を活かして、今までにはなかった取り組みをしていきたいと思っています。

今度、記事にしたいなと思っていますがアメリカにあるスミソニアン博物館にはジャズの歴史を残すための資料館が備わっています。そこでも面白い取り組みをしていて、そこからも伝統芸術の保護のためのノウハウを学んでいきたいと思っています。

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同じクラスにビジュアルアーツ・シアター・パフォーミングアーツと、さまざまな分野のクラスメイトがいることで、自分の知らない現場を知ることができ、コラボなどの幅が広がりそうだなと、思っています。

みんながそれぞれ、ユニークなバックグラウンドを持っているのが芸術という分野の面白いところです。

 

アーツマネジメントとの出会い

アーツマネジメントと聞いてどんなことを想像しますか?

日本でアーツマネジメントが学べる学校は存在するものの、一つの学問としてはまだ歴史が浅く、世間一般に知られている分野ではありません。

もともと1960年代以降にアメリカやイギリスで発展した分野で、主に博物館や美術館などの運営(組織、人事、会計、ファンドレイジングなどを含む)・コミュニティーの形成・イベントの企画などの専門知識を必要とします。

私がこの分野の存在を知ったのは、高校三年生のときでした。進学先を考えていた当時、「音楽のマネジメント」を学べる授業があるということを耳にしたのです。その時には、ジャズのサックスを学びたいという意思があったので、少し興味はあったものの深く調べたりはしませんでした。

希望していた大学に行く事が決まり、アメリカのバージニア州にある総合大学でジャズサックスを学んでいたのですが、4年目の授業を選択するときに"The 21th Century Arts Marketing"(21世紀のアーツマーケティング)という授業を見つけたのです。その授業では、自分の興味のある団体に直接インタビューをしてケーススタディーを行ったり、もし自分が経営者の立場になったらどのような団体をつくりたいのかプランを立てたりしながらマネジメントのノウハウを学びました。

音楽のマネジメントときくと、音楽家になれなかった人が舞台の裏で仕事をすると思われがちですが、アメリカで生活しているとミュージシャンとしてクリエイティブな活動をしながら非営利団体を運営している人やイベントの立ち上げを行っている人を沢山見かけます。私の師匠もアメリカの陸軍のトップミュージシャンとして働きながら、大学の教授と非営利団体の運営をしています。そんなすごい師匠との出会いで、私の夢は広がり目標もさらに高いところを目指したいと思うようになったのです。

音楽は人に笑顔を与えることができるし、アーツマネジメントのノウハウは新たなコミュニティー形成に役立てることができるので素晴らしい仕事だと思っています。

私はこのようにアーツマネジメントと出会い、2017年秋からアメリカの大学院で勉強をしています。大学院での勉強や普段の生活などを綴っていけたらと思っています。

どこでも仕事ができるということ

Nikil Saval著書「Cubed: The Secret of the Work Place」という本を読んだ。アメリカの職場が1980年代から現代までどのように変化してきたのかを描いた本。
普通の人だったら気にも止めない、職場の歴史について書くなんて視点が面白いなと思って選んだ本だった。

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本のタイトルにある「Cubed」というのは、オフィスにある一人ひとりが仕事をする、仕切られたせまい空間のこと。私は、そのようなオフィスで仕事をしたことが経験がないのでよく分からないけど、自分がオフィスワークをすることになったら息が詰まってしまうかもしれない。

そもそも、なぜこのようなオフィス形態が生まれたのかというと1890年頃は電話もパソコンも無い時代。全ての作業を紙で行っていて、会議があれば直接顔を合わせるというのが当たり前。ボスのすぐ横には事務を担当する社員が並んで仕事をしていた。時代が進むにつれて、タイプライターから電話やパソコンへと便利な道具も増えた。ビジネスも拡大したため、より多くの社員を必要とし、エレベーターができて建物自体も高くなっていったのです。

より多くの社員を効率よく部屋に詰め込むため、そして各自のプライバシーも確保するために「Cubicle」というスペースが生まれました。

現代でもそのようなスペースで仕事をしている会社はありますが、家やカフェ・公共のワーキングスペースにて仕事を行っている人も増えていますよね。そして、国がちがってもメールやスカイプなどで仕事を一緒にすることができます。アメリカに住んでいる私がいま実際にしている仕事は、取引先が日本とイギリスです。インターネットの普及で新しい種類の仕事も日々増えています。

このように仕事の幅が増えて、いろんなクリエイティブなものが生まれていくのはとてもワクワクします。しかし、演奏家として・アーツマネジメントを勉強している学生として思うのは、人間が直接コミュニケーションをとれる場や芸術の本当の価値を生で感じてもらえる場というのを積極的に作ることが求められているのではないかと感じます。

今の時代ライブを生配信したり、YouTubeで公開することはいくらでも出来ますが、オーディエンスが芸術の豊かさを肌で感じることが出来るイベント、そしてその真価を理解してもらえるようなコミュニティーを作れたら良いなと思っています。