ゆるアーツジャーナル

ジャズ/アーツマネジメント/日々感じることを綴っています。

Jazz Girl's Day DC

今年3月30日に開催された、Jazz Girls Day DC。その様子をアップし忘れていたので、今更ですが書き残しておこうと思います。

 

アメリカには様々なジャズの団体があり、それぞれのミッションを元に活動しています。対象としている年代も目的も違いますが、個人的によく耳にするのは「ェンダー・人種」に対する活動。もちろんジャズの団体に限ったことではなくて、国全体でよく話題になるトピックです。

 

現在、ジェンダーや人種についての多様性に配慮したアプローチは年々増えていて、アーツマネジャーとして芸術の世界を動かすうえで、すべての関心対象者に公平な場を設けることは1つのプライオリティだと言えるでしょう。

 

ジャズの世界

そんな中でジャズを世界の見てみると、まだ男性優位の世界が残っていると言えます。周囲の状況はもちろん、ジェンダーバイアスによって女性が自分の能力を過小評価したり、自信を失う機会があるのが現状です。

日本でもよくありますが、小・中高校生のバンドには女の子のミュージシャンが沢山在籍しているのに、それより上の世代になるとその数は一気に減ってしまうということ。これはアメリカの学校でも同じことが起きていて、高校のジャズバンドでは女の子のサックスプレイヤーがずらーーっと並んでいるのを見かけるのに、大学生のバンドとなると紅一点状態。

私もその状況に居た一人で、高校生の時は女子が沢山いるジャズバンドで演奏していたのに大学生になったら周りには男子のみ。


アメリカが築き上げたアートフォームとしてのジャズを若い世代に伝えていくためには、ジャズ教育を通してこの現状を変えていく必要があります。

Jazz Girl's Day DC

そんな状況を変えて行こう、ということで動きだしたのが、Jazz Girl's Day DC。トロンボーン奏者であり、ジャズの教育にも携わるShannon Gunnをリーダーに2019年に設立しました。はじめの一歩ということで、2011年からジャズシーンの女性にスポットライトを当ててきたWashington Women in Jazz Festivalの協力を得てイベントを開催することに。

主な対象者は、小学生から高校生でジャズに興味のあるミュージシャン。ジャズを演奏したことがなくても、楽器で音が出せれば誰でも大歓迎。

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(公式HPより)

当日のタイムスケジュール

①ジャズの歴史や有名なミュージシャンの紹介/女性プロミュージシャンによる演奏

②楽器を使ってジャズの基礎を学ぶレクチャー
(簡単なジャムセッションを体験)

③楽器ごとに分かれて、個別レッスン

④セッション

⑤レクチャー:音楽の世界で自信を高めていくために

⑥学生バンドの演奏と講師演奏

 

今回のイベントでは参加者の皆さんに「ジャズって楽しい音楽なんだ」「自分にも出来るんだ」という気持ちを少しでも感じてもらえるように、敷居を低くすること・他の学校にも同じように女の子のミュージシャンが居るということを知ってもらうことを目標にしました。

この一日だけでジャズのソロが簡単に吹けるようになるというものではないけど、各楽器のプロ講師から間近で本物の音を聞いてもらったり、女の子のミュージシャン同士友達になったりして、何かを感じ取ってもらえればと思います。

 

イベントを開催するにあたり、Jazz Education NetworkとHerb Alpert Foundationが寄付をしてくれたことに感謝。

 

最後に、企画やソーシャルメディア、当日の運営を担当した三人。

来年もこのコミュニティーを広めていきたいと思います。

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