想像力をふくらませて/読書/食事
家にいることを強いられていても、大切なのは
- バランスのとれた食事
- 日光を浴びる
- 適度な運動
- 十分な睡眠
だと思っています。
最近は日中の気温が少しずつ上がってきているので、ポーチの椅子に座って昔読んだ本を読み返しています。
3月になってから読んだ本の中から好きなものを紹介。
マーヴィンハリス著書の「食と文化の謎」
この本は、日本食をからかわれたりすると読みたくなる。アメリカに住んでいても、日本食レストラン・中華レストラン・イタリアンレストラン・・・だいたいの料理は食べられる。でも国によって食の文化は違うし、言ってしまえばご近所さんだって自分と全く違うものを毎日食べているかもしれない。そんな中で人と日本食の話をしたりするんだけれど、相手はからかっているつもりがなくても私には侮辱にしか聞こえなかったりすることがある。もちろん、自分自身がセンシティブになりすぎているのかもしれないけど、自分が普段食べているものを気持ち悪いだのなんだの言われて良い気持ちはしない。なので、この本を読むとどの食べ物も歴史的・風土的な理由があって食べられているんだし、自分が食べているものに誇りをもって良いんだという気にさせてくれる。
1977年、フランスの経済学者・思想家のジャックアタリによって書かれた本。昔に書かれた本であるけど、今の時代でも問題視される消費問題やヘイトスピーチなどにも通ずることが記されている。この本は何回も読んでいるのだけど、難しい訳され方をしていてまだ感想を述べるまでのレベルに至っていない。なので、アマゾンから引用させてもらう。
音楽と貨幣と雑音と…。その間に存在する不思議な関係。古代ユダヤのカントル、中世の大道放浪芸人ジョングルール、パトロンお抱えのミンストレル、天才作曲家モーツァルトとバッハ。現代ロックのジミー・ヘンドリックス、さらにショービジネスのスターに至るまで、彼ら音楽家とその音楽は、音楽の力以外の力、貨幣や儀礼などの「検閲」のもとにおかれていると著者は言う。さらに言うまでもなく、音楽は、雑音の組織化かつ世界知覚の道具である、と。そして今、音楽はかつてないほどわれわれの生の一部となりきっている。オブジェ(商品)へと方向づけられ、大量消費のシンボルたらんとする「音楽」。本書は、それぞれの時代と社会の発信する可聴周波数でいる「ノイズ/音楽」をテーマとした音楽史であり、同時に“ブリューゲル”的世界を今日の現実から聴き取ろうとする文明論でもある。
中沢新一著書の「虹の理論」
文化人類学についての本を読むのが好きで、中沢新一さんの本は結構読んでいる。この本は、虹に対する科学的な知識が記してあるわけではなくて、哲学や宗教文化人類学のような視点で書かれている。小説のようなので、思っていたより読みやすい。好き嫌いが分かれそうだけど、私はこういう本が好きです。
ゆっくり本を読んだり食事を作ることはすごい贅沢だと感じます。読むのはどんな本だって良い。同じ本を読んでも同じ料理を食べても、感じ方は人それぞれ。自分の想像力をふくらませて、意識を自由に旅させてくれる。そんな時間が人間には必要だと思う。
林檎摘みのあとに/Tasteのこと/Schwellenangst
今日は題名を見ただけじゃ、ナニコレという感じ。
学校は中間テストの期間で、テキストブックを読んでは論文を書いて‥という作業を繰り返しているので、日本語でランダムなトピックを書きたくなった。
After Apple-Picking by Robert Frost
まず、"林檎摘みのあとに"という詩のこと。
写真は、5年くらい前に林檎を摘みに行ったときのもの。結構お気に入り。
Robert Frost というアメリカの詩人が書いた詩で、「林檎摘みのあとに」というのがある。高校や大学の授業以外で詩に触れるということはあまりしたことが無かったのだけど、たまたま声に出してこの詩を読んでみたら凄く綺麗だと思ったし、不思議な感覚を得られたのでした。
授業とかで扱うと、何行目の意味は〇〇だとか分析をしないといけないんだろうけど、詩を読んだ時に生まれる感情とか伝わるメッセージとかは人それぞれだと思うし、この詩で綴られている情景をイメージするだけで豊かな気持ちになれる。
好みは人それぞれ
続いて、「De gustibus non est disputandum」という言葉について。
ある記事でこの言葉を見つけて調べてみたのです。どうやらgustusというのが「好み」というような意味。好みは人それぞれで、他人がそれに対して論ずるべきではないと古代のローマ人が言っていたようです。数か月前に読んだフランスの社会学者、ブルデューの本では差異化についてが書かれていたけど、その人の社会的位置は慣習行動とか趣味を構造化する。この社会的位置は文化的資本と社会的資本に影響されて決まる。
たまたま見つけた言葉だったけど、古代ローマの人も言っていたくらい全ての人は違う価値観を持っているし、その事を常に意識しながら芸術の現場に携わりたいと思った。
最近の趣味:ドイツ語
最近、Schwellenangstという言葉を知った。
特に理由はないけど、ドイツ語の絵本を読んでいる。
この言葉は、直訳すると「入口へ入る時に感じる、不安」のようなもの。
私の理解では、こんなシチュエーションで使う↓
歴史あるオペラハウスに行くことになった。少しはおめかしして来たのだけど、入り口に着いてみると、自分だけ服装があきらかに浮いていて「あれ?みんな凄いドレスアップしてるな。どうしよう、、、」というような感情らしい。
「気遅れ」みたいな感じかな?
すごいランダムなことを書いたつもりだったけど、結局どれも勉強していることに通じていたような。。
秋のおとずれ
インターン、授業、演奏の繰り返しで、気付いたら9月も後半に!
12月になるまでブログの頻度は落ちそうですが、ゆるく続けていこうと思っています。
新たなインターンを開始!
夏の間はアメリカから発信する文化政策に関わることが多く、ジャズはもちろんアメリカの歴史や文化を通して、知識や体験を提供するお手伝いをしました。
夏のインターンが終わっても、アメリカ歴史博物館でお手伝いする機会があるのでこの縁を大事にしていきたいと思います。
そして、秋からは違うインターンを開始!
仕事においても日常においても新しい知識や人とのつながりを得ることは、大学院で勉強するようになってから特に感じます。
読書のアキ
私は時間に追われ余裕がないときにこそ、隙間時間に本を読みます。
一番最近読み終えたのは、日本語訳のゴールズワージーの作品、「林檎の木」
ページ数も少なくシンプルなのだけど、自然を描写するところや読者の気持ちまでを揺さぶるようなストーリーが印象的でした。
川端康成がこのお話に影響を受けて「伊豆の踊子」を書いたよう。(高校生の時に教科書で読んで、伊豆旅行へ行ったのが懐かしい◎)
図書館で "The Forsyte Saga"「フォーサイト家物語」を借りてきたのでたのしみ。原作の英語で読むと感じることも違うだろうし、解釈の仕方も変わってくると思うのでじっくりと読みたいと思います。
新しい曲 “Philer”
秋は、なぜか色んな感情が生まれる季節。
"Philer"という曲を作りました。題名として使っているPhilerというのは、実は単語として存在しません。
Philというのが、ギリシャ語の動詞で”love"という意味だそうで、それに"er"を付けてagentive nounとして造語をつくりました。
世に存在するものに対して、どんなものにも愛という感情を向けることができたら良いなという気持ちを込めています。
仕事も演奏も全力で今学期を乗り切ります★
7月のふりかえり
7月の前半はとても暑い日が続きましたが、後半は雨が多かったからか比較的過ごしやすくなりました。
キンニクを鍛えたい
私は高校を卒業してからというもの、周りから「運動できなさそう」というイメージを持たれることが多くなりました。なんでだろう‥と考えてみても理由は分かりませんが、きっと不器用なのとボーっとしていることが多いが原因でしょう。
長い間バレエもやっていたし、体育の授業は大好きだったし、アンカーを任されるくらいには走りも得意だったとは思うのですが、どうも最近人から持たれるイメージが「にぶい」とか「ゆるい」なのです。
そんなイメージを打破するためにも今月は、大学のころからハマっているランニングや体を鍛える時間を増やしてみました。キンニクの付いた綺麗な体を目指し、「にぶそう」と言われないようになりたいものです。
ジャズの今昔
悲しいことに日本から持ってきている日本語の本はすべて読み終えてしまい、読み返す段階になってしまったので、日本から海外発送で買おうかと悩んでおります。
ジャズを色んな角度で発信したい、という思いがあるのでジャズについての知識をこれからもどんどん学んでいきたいと思っています。日本語でジャズの歴史などが詳しく書かれている本は数が限られているので日本のジャズの評論家の方などは、どのように勉強したのかが気になります。
次のブログ記事
ブログを見てくださっている方に、アメリカでどんなものを食べているのか見てみたいと連絡をいただいたので、次のブログは私の食事事情について書きたいな~と思っています。
他の方も、見てみたいものや気になることがあればぜひご連絡ください☆
Art as Experience
2018年最初の半年は、アートと社会の関係性・アーティストや非営利の団体がどのような立場で活動できる世の中であるべきなのかに注目して、本を選んでいきたいなと思っています。
もちろん、アート関連以外にも興味のある人類学・世界の宗教・コミュニティ形成など、沢山のトピックを拾いながら色々な視点で芸術について考えていきたいです。
今週読んだなかで一番印象に残ったのはJohn Dewey著書の「Art as Experience」です。日本語でも「経験としての芸術」という題名で出ているみたいですね。
John Deweyはアメリカの哲学者。プラグマティズム(経験不可能な物事の真理を考えることはできない、という考え)を代表する思想家と言われています。1919年に来日しており、日本の大正自由教育を代表する玉川学園・自由学園などは彼の影響を受けています。
(自由学園の明日館へ見学に行ったことがあるのですが、池袋にあるにも関わらず開放的で素敵なデザインでした。今は重要文化財に指定されています。また行きたい・・!)
この本は、プラグマティズムからきている「経験」に重点を置いていて、どの芸術作品もアーティストから生み出され、オーディエンスの目に留まり、そしてどんなプロセスを経てどんな反応が得られるのか。すべての作品において、この実験的経験が必要だと主張しています。
一つの経験を生み出すことは、それ自体が美(esthetic)を生み出すことなのです。
この本が書かれたのは1934年のことですが、彼の考えをめぐって最近でも芸術の在り方についての議論が絶えません。彼にとって、芸術を鑑賞することは受容的な行為でもあり、生産的な行為でもあるのです。ということは、美術館のように説明文と共に作品を陳列してオーディエンスに見てもらうというのは一連の行為の障害になり得るのです。
しかし、美術館もあらゆるコミュニティーへの開けた場として重要な役割を果たしており、それによって彼のいう「経験」の機会を提供することもできます。
最近では、入館者が作品とセルフィーを撮ってSNSにアップすることができたり、体験型の美術館があったりと、Audience engagementも発展しつつあります。
今後も美術館や他の芸術団体を運営するうえで、いろんなアプローチが生まれていくと良いなと思います。
非営利団体の経営
去年の夏から、ことあるごとに参考にしている本です。
いままで、非営利団体に興味はあったけど関わることがあまりなくて
実際のところ仕組みなどは皆無に等しい状態でした。
先週、この本を書いたSusan Schaeferさんのレクチャーを聞く機会がありました。
チャーミングな容姿とは裏腹に、さすが頭の回転が速くてお話もすごく面白かったです。
彼女はいまJohn Hopkinsで講師をやっていて、今までの一番大きな成功談といえばあのビルゲイツのGates Millenium Scholars Programで民間の助成金を獲得するために3年かけてグラントを書き上げたことです。
非営利団体の経営者の多くは、地球に起きていることにすごく関心を持っているし
ミッションステートメントを掲げて、どんな新しいことができるのか
いつも模索している。
本から学べることは、ほんの基礎に過ぎないし、
実際の現場では役に立たたないこともあるかもしれない。
でも本を読んだうえで著者の体験談を聞いてみると、どんなに波乱万丈な体験でも基礎の知識がベースでその上に経験を積んでいくことが必要なんだなと感じた。
最後に、「たくさんの失敗や苦い思いも、時間がたてば笑い話になるものよ」と言っていたのが印象に残った。
Bird by Bird
Anne Lamott著書の「Bird by Bird」です。
教授に教えてもらってさっそく読んでみました。
作家の彼女が、「書き方」と「人生」についての教えを書いた本です。
一番、心にのこったエピソードがこの「Bird by Bird」のアドバイス。
Anneのお兄さんが、鳥についてのレポートを書こうとしていた時のことです。いくらでも時間があったのに締め切りの前の日まで何もせずにいたお兄さんは、途方に暮れていました。そこでお父さんが、「Bird by bird, buddy. Just take it bird by bird.」と言ったのです。膨大な数の鳥のレポートも、はじめの鳥から順に書き始めれば良いよ。それが終わったら、次の鳥へ。
大学院での膨大な量の課題や仕事も落ち着いて順にこなしていけば良いのだと、再確認することができました。
本がとても読みやすくて気に入ったので、インターネットでAnneのことを調べているとTEDでのプレゼンを見つけました。
60歳になったAnneは、この現代社会でプレッシャーに押しつぶされそうになっている若者に向かって「自分の中で確かに知っていること」をすべて書き出しました。決して押し付けがましくない彼女の肯定的な考え方を聞いていると、たとえ不安があってもユーモアを交えて日々生活していきたいなあと思わせてくれます。
もう一つこのプレゼンの中で好きな言い回しを見つけました。
"Laughter really is carbonated holiness"
日本語にしてしまうとこの文の雰囲気がなくなってしまうかなと思うので、あえてこのまま載せておきます。
この文で思い浮かぶのが、Woody Allenの名言で"I am thankful for laughter, exept when milk comes out of my nose."です。時には泣いたり怒ったりすることもあるけど、笑うのは一番楽しいし鼻から牛乳が出るほど笑いたいものです。