ゆるアーツジャーナル

アメリカ生活5年目。ジャズ/アーツマネジメント/日常のことを綴っています。

【スミソニアン特集④】博物館の楽器倉庫は宝の山?!

 

スミソニアン特集①アーツマネジメントの世界で働くプロたち

スミソニアン特集②どんな仕事をしてるの?

スミソニアン特集③どんな展示物が見られるの?

スミソニアン特集④博物館の楽器倉庫は宝の山?!

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 美術館や博物館の倉庫って覗くことって、普段はないですよね。
先日、仕事を抜け出して楽器倉庫に潜入させてもらったのでその時のことをお話したいと思います。

(写真は、ウェブ上で公開中なので見放題です!)

 

①ディジーガレスピーのBbトランペット(1972年)

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この、ベルが上を向いたトランペット。見覚えのある方も多いのではないでしょうか?1940年代にトランペットとスキャットで活躍していたガレスピー。ほっぺたを膨らませながら吹く姿がとても印象的な彼は、アフロキューバンのリズムを取り入れながらビバップの時代に影響を与えた人物。
1986年に寄付されたこの楽器は、ガレスピーが10年間実際に吹いていたカスタムのSilver Flair というもの。現在は一般公開されておらず、またエキシビジョンのある時に展示予定です。

 

②ジョンコルトレーンのテナーサックス(1965年)

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ジョンコルトレーンという名前を聞いたことがある方も多いでしょう。彼の息子で同じくテナーサックス奏者のラビコルトレーンから寄付された3つのテナーサックスのうちの一つ。近くで見るだけで鳥肌が立ってしまいました。

2014年にスミソニアンで、コルトレーンの”A Love Supreme”というアルバムがリリースされてから50年の記念コンサートを行ったのですが、実は私の恩師がこの楽器を実際に使って演奏をしたのです。あの時の不思議な空気は忘れられません。

 

③マイルスデイビスの衣装(1991年)

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カラフルなジャケットは、マイルスデイビスが1991年にスイスで行われたモントルージャズフェスティバルでクインシージョーンズと共演した時に着ていたもの。マイルスはデビューした1940年代には普通のスーツを着ていました。しかし、彼の音楽がどんどん発展しエレクトリックな演奏を始めた1968年以降はその音楽に相応しい主張の強い衣装を着るようになっていきました。楽器以外にも歴史の流れを象徴している大切な資料を守るのが博物館の役割です。

 

④イングリッシュギター(1760-1780)

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ジャズ以外の楽器でも、バンジョーやギターバイオリン、ピアノなど様々な楽器が保管されています。なぜ、アメリカの歴史博物館にイングリッシュギターが置いてあるのでしょう?理由は、アメリカが移民の国だから。他の国から楽器が運ばれて来なければ、いまのアメリカの楽器は存在しません。他にも、世間ではほとんど使われなかった発展途中の楽器などもあります。アメリカという国を代表する博物館だからこそ、今の我々の世代までにどんなストーリーがあったのかを記録し、後世に伝えていくという大切な役目があります。

博物館内には常に数多くの展示品がありますが、裏の倉庫にはそれ以上に信じられない数の宝が保存されているのです。

すべての楽器に歴史が刻まれている。なんて素敵なことでしょうか°˖✧