ゆるアーツジャーナル

アメリカ生活5年目。ジャズ/アーツマネジメント/日常のことを綴っています。

【スミソニアン特集①】アーツマネジメントの世界で働くプロたち

大好きなスミソニアンで働く機会をもらって、思うこと感じたこと…博物館への来場者としてだけではなく、働く側の視線でブログを書いています。トピックは増えていく予定です★
スミソニアン特集①アーツマネジメントの世界で働くプロたち

スミソニアン特集②どんな仕事をしてるの?

スミソニアン特集③どんな展示物が見られるの?

スミソニアン特集④博物館の楽器倉庫は宝の山?!

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今まで楽器屋さんや美術館でのお仕事の経験はあったけど、アーツマネジメントの世界に関わるようになって、1年弱。大学院で勉強しながら、この世界のプロたちと接して感じたことをまとめてみました。

 

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自分×博物館=?

どんな業界でもありえることだと思うけど、仕事との関係性は人それぞれ。ジャズバンドのマネージャーをやっているけど、ジャズ好きなの?と聞くと「ん~特に自分から聞いたりはしないわね~」とサラっという人も見てきたし、「小学生のころからDCの博物館に通い続けて、ようやく夢のキュレーターになれたわ」という人もいる。
みんながみんな、小さいころから追いかけてきた夢を叶えてアーツマネジャーとして働いているわけでもないんですよね。芸術という共通点を軸に、「博物館という場所が大好き」「裏方でプロジェクトを支える仕事が好き」「色んなイベントを立ち上げるのが好き」など、つながり方は千差万別です。

 

複数のわらじを履くということ

アーツの世界には自分の芸術の形を追い求めて何十年とアーティストとして活動している人たちがいます。その中には有名になってテレビや大きなコンサートをやっている人もいれば、コアなファンに対して狭く深く活動している人もいます。日本で「ミュージシャンやっています」というと、ライブをどの位の頻度で行っているか・何人のファンがいるのかなどでミュージシャンとしての地位を判断されがちです。口コミが多用される近年では、ネット上に自分のことがどんな風に発信されているかによって活動が良い方にも悪い方にも流れていきます。

 日本を出て違う国のアーツの世界で働き始めると、それこそ色んな肩書きを持つ人に出会います。「ライブ活動がメインだけど、地域の子供たちのためのキャンプ体験を提供するNPOを運営している人」「ステージマネジメントを本業にしていて、空いた時間にリーダーバンドでCDを作製している人」・・・挙げ始めたらきりがないくらい、異なる種類のわらじを履いている人がいます。”どちらも中途半端になったらどうしよう”と悩む前に、自分の気持ちに正直に従う生き方は輝いてみえるものです。

私はいままで、色んな節目に周りの人から質問を受けました。
「アメリカの大学へ行ってその後はどうするの?」
「演奏しないで、サックスのインストラクターとして食べていくの?」
「アーツマネジメントって大学院へ行かないといけないの?」
きっとこれを聞いてくれた人たちにとっては、単なる疑問の一つにすぎないのですが私は複雑に感じることもありました。どれもこれも自分の体験から学んだことを元に下した決断で、自分で考えて選んできた道です。
大学3年生の時にアーツマネジメントという世界と出会って、その未知なる可能性に惹かれて”ジャズも演奏しながらアーツマネジャーとしてもアメリカのジャズ界にどっぷり浸かりたい”という思いでやってきました。そして、私がした数々の選択は人生のほんの少しの過程にすぎないと思っています。

ここ十数年、ゆとり教育などで個性を重んじるということが言われていますが、大切なのは表面的にどんな活動をしているということではないと感じます。たとえみんなと同じレールの上に生きていなくても、複数のわらじを履いて生きていても、前向きに受け止めてもらえるような世の中になったら良いなと思っています。

 

 比較的新しい学問のアーツマネジメント。芸術に特化したマネジメントですが、一言でコレをする!という業種ではありません。アメリカではかなり多くの芸術団体がNPOとして活動しており、そこにはコミュニティーがありそれを支援する人がいて、そこにアーツマネジャーたちが存在します。個人の芸術活動をしながら、好きなアメリカのジャズコミュニティーを支える仕事もする。もちろん、簡単にできることではありません。でも私はそんなアーツマネジメントのプロになりたいと思います。