ゆるアーツジャーナル

ジャズ/アーツマネジメント/日々感じることを綴っています。

ヨーロッパのカルチャーマネジメント

先日のアドボカシーの講演に続いて、今日はオーストリアからのゲストレクチャーを聞きにいきました。

 

Leonie Hodkevitch

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ウィーン大学 Cultural Management学科の学長。NPO法人'Clearlの創設者。

主にSocial Justice についてのレクチャーでした。

彼女は、ブルガリで生まれ12歳のときにウィーンに移ったそうです。13か国語も喋れる、とても陽気な方でした。(2か月前から日本語かスワヒリ語で悩んで、スワヒリ語の勉強を始めたそう、、残念。)レクチャーが始まる前にお話をしていて気づいたのは、日本やアメリカでは「アーツマネジメント」というくくりで芸術に視点を置いているのに対して、ヨーロッパの方ではカルチャーマネジメントという扱いで、この学問を文化というもっと人間の歴史や生活という根本部分として捉えていることです。つい先日一緒にライブをしたウィーン出身のベーシストによると、ウィーンは多言語や異なる民族が集まる土地で日常的に自分の"heritage"について考えることが多いといいます。それに音楽が盛んなのも相まって、カルチャーマネジメントが盛んなのだなと思いました。

 

レクチャーの中で出てきたのは、John Donneをはじめとするヨーロッパの哲学者の考え。もちろん、最近私が読んでいた「Distinction」という本の著者、Pierre Bourdieuという社会学者の哲学も引用していました。(フランス語はもちろん読めないので英語訳で読みましたが)アメリカ人のレクチャーではほとんどヨーロッパの思想家が出てくることはないので、住んでいる場所が違うと参考にしている資料がこうも違うのだなーと聞いていて面白かったです。

 

アメリカでアーツマネジメントを勉強する日本人という、ただでさえマイノリティーな立場ですが他の国の考えなども幅広く勉強して、個性を磨いていきたいなと思いました。