ゆるアーツジャーナル

ジャズ/アーツマネジメント/日々感じることを綴っています。

犬の里親になりました。

2019年1月25日、保護犬だったラブラドールレトリバーミックスの里親になりました。名前はマックス。生まれてからまだ10ヵ月で、好奇心旺盛のやんちゃな男の子。DNDテストをしていないので、正確な犬種は分かりませんがレトリバーとアメリカンブルテリアの可能性が高いと思っています。

 

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(検査や手術を行った次の日なので、安静にしてなくてはいけないのに、家の庭で元気良く走ってしまった時の写真)

 

この子にする!と決めたとき、一緒にシェルターへ行ってくれた人達からは驚かれました。なぜなら。。

 

探していた犬のイメージ

  • 毛がふわっふわ
  • 初めての犬なので、散歩しやすそうな小~中型
  • ある程度躾がされている成犬

実際に我が家へ来た犬

  • 毛は短めで、ポメラニアンのようなふわふわではない
  • 予定よりも大きく、ごはんもしっかり食べている今は26キロ
  • 10か月でまだまだ子犬な部分も

 

思い描いていた犬とは真逆のタイプの犬だったからです(笑)

でも人懐こい性格と元気なところが気に入り、一瞬で決まってしまいました。

アメリカでのペットの里親プロセスは、また別の記事でご紹介します!

 

 

 

動物の保護団体

猫や犬、ウサギ、インコ、ハムスター、、どんな動物も大切な命。人間に幸せを与えてくれる動物たちですが、ペットとしての彼らは自分の意志で飼い主や住む場所を選べません。優しい飼い主さんのもとへ引き取られたペットは幸せな生活を送れますが、捨てられてしまったり、ペットショップで売れ残ってしまうと殺されてしまう可能性が多いのです。

 

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小さい頃の私は犬や猫と触れ合う機会がほとんどありませんでした。唯一家で可愛がっていたのが、うさぎのルルです。小学6年生の夏に家に来て、そのあと12年間も楽しい時間と癒しを与えてくれました。

 

ルルは、近所のペットショップから生後数か月の時に我が家へ来ました。ルルと出会うことが出来たのもペットショップのおかげで、ブリーダーさんやお店から購入したペットと長年幸せに暮らしている飼い主さんも沢山います。なので、ペットショップが一概に悪いとは言いませんが、今回は大量繁殖・遺棄・引き取り依頼などの理由から動物を保護するアメリカのアニマルシェルターの紹介をしたいと思います。

 

 

 アニマルシェルターの誕生

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いまアニマルシェルターとして活動している団体は、もともと狂犬病が流行っていた時代に犬を収容していた場所でした。そこでは、感染がそれ以上広がらないようにガス殺や餓死をさせていたのです。

 

しかし1950年頃には、狂犬病のワクチンが義務付けられて動物の福祉や公共衛生を管理するようになり、その後アニマルシェルターとして少しでも動物の命を無駄にしないように働きかける運動が始まりました。

 

シェルターの種類

①行政の運営するシェルター

アメリカ各州の郡ごとにシェルターを運営しており、場合によっては3つの郡が合同でやっているところもあります。

ちなみに、私が一番よくボランティアしていたシェルターは「Tri County Animal Shelter」といい、Calvert郡・Charles郡・St. Mary's郡が共同で運営しています。 (「Tri」はギリシャ語由来で3つという意味)


行政シェルターは、「Kill Shelter」とも呼ばれており、ある一定の期間譲渡先が決まらなければ、殺処分の対象となってしまうことがほとんどです。

 

②民間の運営するシェルター

民間のシェルターは非営利の団体として活動していることが多いです。規模や活動の内容もそのシェルターによってさまざまですが、代表的なのは「Humane Society」や「Society for the Prevention of Cruelty to Animals」です。

 

このような団体や、特定の犬種だけをまとめて保護するレスキュー団体は、譲渡するときの条件が行政のシェルターよりも厳しいです。

・過去のペット歴
・ペットを飼える収入があるのか
・家の環境が整っているか確認するための訪問

など、団体によって条件が違います。

 

また、民間シェルターは「No Kill Shelter」として活動していることが多く、受け入れた動物の殺処分は余程のことがなければしません。その代わり、受け入れをする場合は健康かつ元飼い犬/猫だった、特定のシェルターからの転送のみ、など制限をしています。

 

シェルターでのボランティア

行政シェルターも民間シェルターも、ボランティアなしで運営をすることは難しいです。

ボランティアの種類は多く、動物の世話・動物の管理・受付・会計・獣医・運搬など、それぞれの人が自分の得意なことで団体のために貢献しています。

私も大学生の頃に、3か所のシェルターでボランティア登録を行い、時間のある時に犬を散歩させる・訪問者の案内などをやっていました。当時、寮に住んでいて動物が飼えなかった私はシェルターで動物に会うのが楽しみだったので、よく友人と訪れたものです。

 

次回は、私がシェルターから犬を保護したお話を書きたいと思っています。

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Duke Ellingtonが生まれた街のジャズクラブ

Duke Ellingtonの生まれた場所

ジャズ界では、誰もが知っているであろうDuke Ellington。
1899年、ワシントンDCにて生まれました。エリントンが生まれた場所や育った建物などは現在一般公開されていませんが、街にはCultural Tourism DCによるトレイルや看板などが設置されており、当時のDCのジャズシーンなどを知ることができます。

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Washington Post, February 4, 2012

①Duke Ellingtonが生まれた場所
②Duke Ellington School of the Arts
⑨や⑮周辺はジャズが聞けるバーなどが集まる場所

エリントンの伝記には、1920年頃のDCはハーレムよりもジャズクラブがあり、ジャズが盛んだったと言われています。


閉店してしまった歴史あるジャズクラブ"Bohemian Caverns"

ジャズクラブが集まるU Street には、Bohemian Cavernsというジャズクラブがありました。実際の建物はまだ残っていますが、2016年3月に運営資金の問題で閉店せざるを得ませんでした。オンラインで物件が出ています。

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Cultural Heritageを守るための活動

今学期の授業で非営利団体のケーススタディーを書いていた時に、見つけたのがこの記事。

dcist.com

Duke Ellington School of the Artsでジャズディレクターを務める、Davey Yarboroughが「Bohemian Caverns」を復活させたい、という目標を表明したのです。詳しいことは記事に書いてありますが、National Trust for Historic Preservation(歴史的建築物の保護を目的とする団体)との繋がりもあるそうです。

 


偶然が重なり、Yarboroughさんと一緒に仕事をしているという友達が私のためにミーティングの機会を設けてくれることになりました。

私自身とても興味のある、ワシントンDCのジャズシーン。非営利団体のマネジメントの勉強や、この機会を活かして積極的にDCジャズの伝承に関わっていきたいと思っています。

 

Duke Ellingtonのことを学ぶのに役に立った本

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Jazzと正義

アーツ界にアンテナを張り巡らす

人々の生活や人が住む建物にも歴史があります。

人間が生きているなかで生まれた芸術も時の経過と共に発展し、ある程度のジャンル分けがされていく。今の時代を生きる私たちは、その歴史の重なりの中に織り込まれていきます。

 

アーツマネジャーやリーダーとしての役割は、過去のアートフォームを来世に残しながらも何か新しいことは出来ないかと常にアンテナを張り巡らして、新たなアートフォームを生み出していける環境を作ることだと思っています。もちろんアーツマネジャー自身も一人のアーティストであり、クリエイティブな思考が必要になってきます。

 

Jazzと正義をつなぐイベント

私が大学院に居る間に一番出来る事といえば、より多くのケーススタディーをしてクリエイティブな思考の可能性を広げることだと思っています。現代の芸術の世界のリーダーたちと会う機会があり、彼らの取り組みを肌で感じて「こんなことも出来るのか~」とイベントやプログラミングのネタを日々盗み取っています。

 

先日、実行委員として参加したのが「Jazz 4 Justice」というイベント。

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私のお世話になっているサックスの先生がリーダーを務めており、2001年の創設からパートナーシップも増えて年々成長している非営利団体です。

Jazzの力を正義のために使おうというテーマのもと、大学の音楽学部と地域の法律のためのコミュニティを繋ぎ、法的援助とジャズを勉強する学生のための資金を提供しています。

この活動によって、学生が大学に通ってジャズを学んだり、法的な手続きをしないといけないけど費用が足りていない人が、援助を受けることができています。
一日のコンサートのチケットの売り上げで、250万円近くのドネーションを集めています。

 

ジャズと法律、もともと直接的な関わりはありませんでしたが、地域の法律団体に努める人たちがジャズが好きだったという理由で、このプロジェクトは始まりました。

このブログでは、一見無縁に見えるジャンル同士のコラボレーションを見つけ次第レポートしていきたいなと思っています。

 

芸術界の未来

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Gaylene Carpenter著書の「Arts and Cultural Programming」という本を読み始めました。最後の方には芸術の世界の未来について書いてあるので詳しくは次のブログで書く予定です。

 

 

 

 

 

Thelonious Monk Institute of Jazz から Herbie Hancock institute of Jazzへ

今年の12月2・3日にワシントンDCで「第30回セロニアス・モンク国際ジャズ・コンペティション」が開催されます。私が大学生の頃にもサックス部門のコンペティションでDC行われました。2018年は、ピアノ部門です。

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世界中から注目されているこのコンペティションは、ジャズミュージシャンの登竜門とも言われていて、非営利教育団体のThelonious Monk Institute of Jazzが主催しています。

2018 Thelonious Monk Institute of Jazz International Piano Competition

 

この団体はワシントンDCに本部を置き、コンペティションだけでなく様々な教育プログラムやインターナショナルジャズデイなどの国際的なイベントも行っています。

 

団体の名前でもある「セロニアス・モンク」(ジャズピアニスト)の息子、Thelonious Monk IIIによって1986年に設立されたこの団体は、現在ハービーハンコックのリーダーシップのもと運営されています。

 

そして11月6日には、団体の名前を「Herbie Hancock Institute of Jazz」に変更するというアナウンスがされました。(これは、2019年の1月1日に実行)この決断にハービー自身は関わってないようで、運営委員会の中で決定されたと記事中に書いてあります。

monkinstitute.org

 

団体の名前が変わるというのは大きな決断だと思うし、反対の声などもあったようですが「UNESCO」とのパートナーシップは今後も続き、今までのミッションをもとに教育プログラムを世界に向けて発信していく予定だそうです。

 

来月行われるピアノ部門のコンペティションが楽しみです。

 

 

林檎摘みのあとに/Tasteのこと/Schwellenangst

今日は題名を見ただけじゃ、ナニコレという感じ。

 

学校は中間テストの期間で、テキストブックを読んでは論文を書いて‥という作業を繰り返しているので、日本語でランダムなトピックを書きたくなった。

 

After Apple-Picking by Robert Frost

まず、"林檎摘みのあとに"という詩のこと。

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 写真は、5年くらい前に林檎を摘みに行ったときのもの。結構お気に入り。

Robert Frost というアメリカの詩人が書いた詩で、「林檎摘みのあとに」というのがある。高校や大学の授業以外で詩に触れるということはあまりしたことが無かったのだけど、たまたま声に出してこの詩を読んでみたら凄く綺麗だと思ったし、不思議な感覚を得られたのでした。

授業とかで扱うと、何行目の意味は〇〇だとか分析をしないといけないんだろうけど、詩を読んだ時に生まれる感情とか伝わるメッセージとかは人それぞれだと思うし、この詩で綴られている情景をイメージするだけで豊かな気持ちになれる。

 

好みは人それぞれ

続いて、「De gustibus non est disputandum」という言葉について。

ある記事でこの言葉を見つけて調べてみたのです。どうやらgustusというのが「好み」というような意味。好みは人それぞれで、他人がそれに対して論ずるべきではないと古代のローマ人が言っていたようです。数か月前に読んだフランスの社会学者、ブルデューの本では差異化についてが書かれていたけど、その人の社会的位置は慣習行動とか趣味を構造化する。この社会的位置は文化的資本と社会的資本に影響されて決まる。

たまたま見つけた言葉だったけど、古代ローマの人も言っていたくらい全ての人は違う価値観を持っているし、その事を常に意識しながら芸術の現場に携わりたいと思った。

 

最近の趣味:ドイツ語

最近、Schwellenangstという言葉を知った。

特に理由はないけど、ドイツ語の絵本を読んでいる。

この言葉は、直訳すると「入口へ入る時に感じる、不安」のようなもの。

私の理解では、こんなシチュエーションで使う↓

歴史あるオペラハウスに行くことになった。少しはおめかしして来たのだけど、入り口に着いてみると、自分だけ服装があきらかに浮いていて「あれ?みんな凄いドレスアップしてるな。どうしよう、、、」というような感情らしい。

「気遅れ」みたいな感じかな?

 

すごいランダムなことを書いたつもりだったけど、結局どれも勉強していることに通じていたような。。

秋のおとずれ

インターン、授業、演奏の繰り返しで、気付いたら9月も後半に!

12月になるまでブログの頻度は落ちそうですが、ゆるく続けていこうと思っています。 

 

新たなインターンを開始!

夏の間はアメリカから発信する文化政策に関わることが多く、ジャズはもちろんアメリカの歴史や文化を通して、知識や体験を提供するお手伝いをしました。

夏のインターンが終わっても、アメリカ歴史博物館でお手伝いする機会があるのでこの縁を大事にしていきたいと思います。

 

そして、秋からは違うインターンを開始!

仕事においても日常においても新しい知識や人とのつながりを得ることは、大学院で勉強するようになってから特に感じます。

 

 

読書のアキ

私は時間に追われ余裕がないときにこそ、隙間時間に本を読みます。

一番最近読み終えたのは、日本語訳のゴールズワージーの作品、「林檎の木」

 

ページ数も少なくシンプルなのだけど、自然を描写するところや読者の気持ちまでを揺さぶるようなストーリーが印象的でした。

川端康成がこのお話に影響を受けて「伊豆の踊子」を書いたよう。(高校生の時に教科書で読んで、伊豆旅行へ行ったのが懐かしい◎)

 

図書館で "The Forsyte Saga"「フォーサイト家物語」を借りてきたのでたのしみ。原作の英語で読むと感じることも違うだろうし、解釈の仕方も変わってくると思うのでじっくりと読みたいと思います。

 

新しい曲 “Philer”

秋は、なぜか色んな感情が生まれる季節。

"Philer"という曲を作りました。題名として使っているPhilerというのは、実は単語として存在しません。

Philというのが、ギリシャ語の動詞で”love"という意味だそうで、それに"er"を付けてagentive nounとして造語をつくりました。

 

世に存在するものに対して、どんなものにも愛という感情を向けることができたら良いなという気持ちを込めています。

 

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仕事も演奏も全力で今学期を乗り切ります★